自転車に乗りて彼岸の川岸を息子走りているやも知れず  有光智恵子

16日付のの作品も同様であるが、結社誌1月号より

此岸と彼岸の間に、川が流れているという話を、私も聞いたことがある。
母親である作者はは此岸におり、
彼岸にいるご子息を思っている。
夭折であったのであろう、自転車に乗り走っているのであるから。
亡くなってしまっても尚、その子の無事を願う。
母親とは、私も含め業の深い生物なのであろうか。(4/10)