2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

産むならば世界を産めよものの芽の湧き立つ森のさみどりのなか  阿木津英

(眠たいので、もう寝ます。また明日...... 鈴木英子さんの歌を取上げたいのですが、資料を紛失。捜索中です)

たまさかに届く小包ヴィタミンが欲しくて桃の缶詰を切る  島田幸典

つい最近、知人である19歳の男の子(少年とも青年とも呼ぶには、中途半端なのだ)が、短歌の集まりで、島田幸典と会って話し込んでいたらしい。 その青年(と一応しておこう)にとって、初めての歌の集いであった。人生に対し、自分の将来に対し、思い悩んで…

もうゆりの花びんをもとにもどしてるさっきあんな表情を見せたくせに 加藤治郎

加藤治郎は、加齢してゆく歌人である。 こう表現すると、誤解を招きそうなのであるが、表現、技巧それらが年数を経るごとに、成熟してゆく。掲出歌は歌集『サニー・サイドアップ』より。まだ二十代の頃の作品である。この歌が、後朝の歌(古い表現でごめんな…

生活の中の光の如くにも妻に磨かれて白き卵あり   石田比呂志  (ルビ・卵:らん)

第一歌集『無用の歌』より 本当は、今日は七月七日 七夕なのである七夕の歌を、せめて天の川の歌を思ったのだが、見つからず とりあえず、七月五日付けでお茶を濁すこととする。この歌を詠んでいた頃、前後の歌から察するところ、石田比呂志はやはり定職につ…

ぶろぐさいかいいたしました

大変長らくお休みをいたしましたが、何とかブログの再開をすることと相成りました。開始当初は、365の歌をここで紹介できたらそれで良し。 そのように思っておしました。ですから、日にちが多少ずれても、一年分をの日付を埋めると、それで切り上げと決めて…

不器用で不器量なりし梅ちゃんが孫の節句の鯉泳がする   上野春子

上野春子は、本当に嫌味な女である。 春子の自慢は尽きない。 「大福10個を数分で食べた、これほど早く大福を食べられるのは自分しかいない」 「今日も道で躓いた、しかし転ばなかった。この状態で転ばぬほど強運なのは、 世の中広しといえど、自分しかい…