玄関を開けたら一本背負いかな 丸山進
友人の川柳作家と話をしていると、「かなわないなぁ〜」と思うことが度々ある。
話の端々のウィット、そして観察眼。ときどき「その話いただき」と言われたとき。
この丸山進の句を読んだとき、その「かなわないなぁ〜」が出たのである
- 作者: 丸山進
- 出版社/メーカー: 風媒社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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玄関開けたら○分でごはん♪というコマーシャルは、テレビでよく見かけるが、一本背負いである。
「一本背負い」されました、しましたの説明はなく、玄関を開けるとそこに一本背負いが厳然と立ちはだかっているのである。
短歌でも、上句から下句への飛躍の必要性を言われるが、この句の見事さに瞠目する。
私の好きな丸山進の句に、この『アルバトロス』には収録されていないが
「成分がはっきりしないみのもんた」がある。
お昼の番組を知らない人でも、みのもんたをテレビで観たことのある人ならば、説明はいらないと思う。
この人も、先に紹介した豊嶋雅明同様、晩学の人である。
瀬戸の信天翁(おきのたいふ)、その羽を大きく広げ悠然と空を巡って欲しい。