みちのくの母のいのちを一目みん一目みんとぞただいそぎける  斎藤茂吉

斎藤茂吉です。ええ、斎藤茂吉ですとも。
斎藤照子の夫で、斎藤茂太北杜夫の父親です。

勉強不足を解消すべく、中学二年生の国語教科書を紐解きましたところ、この歌です。
教科書ワーク、教科書対応テキストなどを参考に、この歌を鑑賞いたします。

「みちのくの母」とは、誰のことですか・・・故郷にいる作者の母です
「母のいのち」の意味は・・・母の生きている姿のこと
「一目みん一目みん」と繰り返していることで伝わるのは・・・とにかく早く会いたい
故郷にの母の生きている姿を、とにかく早く会い見たいと急いでいるのだ」という解釈になるのでしょうか

死に近き母の添い寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞こゆる
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳根の母死にたまふなり

上の一首目の「しんしん」に込められた意味・・・悲しみの深さと夜のふけてゆく様子
(間違えても、「天に響くかえるの声のさびしげな様子」と答えてはいけないらしい
二首目の歌について
作者の悲しみの深さが最も強く込められている句は・・・死にたまふなり
「足乳根」の語はどの言葉にかかりますか・・・母
問答集の中には「のど赤き玄鳥」についての説明を求めているもの・・・解答は「燕の雛」でよろしいでしょうか
「のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ」の喩えているもの、それを見ている作者の心境、等を尋ねる設問の問題集もあった。

友人某は「自分の母親が息を引き取ろうってときに、そんなに冷静になって燕の巣なんて観察してられないよ」と答えていたけれど、あの世の茂吉は何と答えるのだろう