昼更けのモノレールにて忍び泣きしていし女を夜更けて思う    松岡 晧二

日常生活に使う交通手段の乗り物の中、忍び泣きしている女。
見るともなく、気付くともなく、遣り過してしまう。

深夜一人になり、静寂の中、昼間の映像が蘇る。
公共の交通機関の中で「忍び泣き」をする女。
それは都会の中では、よくある情景の一齣である。
しかし、そんなありふれた女にも、彼女なりの歴史を背負っているのだ。

モノレールの中泣いていたのは、私かも知れず、貴方かもしれない。
作者自身なのかも知れぬ。(4/10)